2018年4月16日月曜日

クロアチア紀行Ⅵ ~最後の晩餐のサプライズ~

 
 
 
 
 
遂に明日は帰国という4月11日の夜。
クロアチアの首都ザグレブのレストランで、最後の夕食の時間になった。
 
メンバーは食事の度に思い思いの席に着き、
おしゃべりしながら食事を楽しんできた。
 
大体、旅も後半になると、今まで食事時に一緒になった方の中で、
話が合う方同士が、自然と同じテーブルを囲むことが多くなってくる。
 
私達が先に座った4人席には、『アラレちゃん』と『黄色い薔薇』のおふたりと
ご一緒することが多かったが、
この時は『松山のみかん農家』さんが、目の前に座られた。
 
お父さんの方は誰にでも話しかける気さくな方なので、
旅行中にも何度か楽しくおしゃべりしていた。
 
奥さんとはほとんど話す機会がなかったけど、
ずっと私の声質が気になっていた様子で、
先ず、「何か声を使うお仕事をなさっているんですか」と切り出された。
 
実は去年のスペイン旅行の時にも同じことをいわれたことがあり、
「声優さんか何かですか」といわれ、ビックリしたことがある。
 
Kさんにとっては私の声はなじみのものだろうし、
自分の体内に聞こえている声と人に聞こえている声は違うので、
そんなに特徴的な声だとは思っていないのだが、
他にも時々、声についていわれることがある。
 
静かで無口なおばあちゃんだと思っていたのに、
観察していろいろ感じていたんだなと思った。
 
おふたりとは今まで行った沢山の国の中で、一番好きなところはどこかという
質問に始まり、
ロシアやギリシャのお話を聞かせてもらった。
 
そして、デザートのチーズケーキになった時、
少し前に添乗員さんが席を立って、ボーイさんに何か耳打ちしたなと思ったら、
私と『魔女』さんにろうそくの立ったチーズケーキが運ばれてきた。
 
旅行の期間中に誕生日を迎えたふたりに、
お祝いのケーキとプレゼントを用意してくれたのだ。
 
『魔女』さんは4月10日、私は4月12日が本当の誕生日だったのだが、
中をとって、11日、最後の夕食にサプライズでお祝いしてくれた。
12日は帰国の日なので、これがみんなで食べる最後のご飯だからということだろう。
 
しかも、添乗員さんはそれぞれの好みに合いそうな色のガラスの花瓶まで
用意してくれ、プレゼントしてくれた。
 
常に茶系統のスカートとブーツを履いていた『魔女」さんにはオレンジと茶色の花瓶、
旅の最初の頃、
コバルトブルーとローズピンクのニットを着ていた私には青と紫色の花瓶。
 
聞けば、私達の着ているものを観て、
ドブロヴニクの自由時間の時に捜してくれたという。
ドブロヴニクといったら、まだ、旅の5日目の話だ。
 
その花瓶に使われていた色は、
前日、モスタルというオスマントルコの支配下にあった街で求めたスカーフと
ほとんど同じ色の組み合わせだった。
(トルコはスカーフなどの絹製品が多く、独特のセンスで素敵)
 
正に、私好みの配色で、
添乗員さんの心遣いとセンスに感動した。
 
包みを開いて、花瓶の色を見た時、
私はとっさにバッグに持っていたトルコ製スカーフを取り出し、首に巻き、
『アラレちゃん』と『黄色い薔薇』さん、『添乗員さん』、Kさんと記念写真を撮った。
 
昨年のスペイン旅行も4月にKさんと参加し、ちょうど誕生日を途中で迎えたので、
添乗員さんがオリーブオイルとオリーブのハンドクリームをプレゼントしてくれた。
夕食時に皆さんにもそのことを紹介してくださり、嬉しかった。
 
しかし、
今回のように個人的な好みに合わせてプレゼントを捜すのは大変だっただろうし、
ケーキのろうそくまで用意して、
皆さんでバースデーソングも歌ってもらって、本当に幸せだ。
 
写真の笑顔がそれを物語っている。
 
こういうのをプライスレスの価値というのかもしれない。
 
Kさんには2年続けて、誕生日の立会人になってもらった。
幸せな1年のスタートがきれそうだ。
 
4月12日は帰国の日だったので、
クロアチアの出国、オーストリアのグラーツ入国と出国、日本の入国と
たくさんの記念日のハンコをパスポートに集めることも出来た。
 
クロアチアのいい思い出が最後に増え、
楽しい旅行は無事に終了し、
あっという間にわらわらと慌ただしい日常が戻ってきた。
 

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