2017年2月25日土曜日

『LA LA LAND』でストレスコーピング

 
2月もあと少しになってしまった。
 
2月中に仕上げようと頑張って彫り進めてきた2作分の版は
予定より少し早く出上がった。
 
更に今月は体調がまだ万全ではないというのに、新しいクライアントさんが見えたり、
ちょうど1年前に来て、2回セッションをして立ち消えになっていた方が、
急に思い出してまた、連絡をくださったりで、
心理カウンセリングのご要望が多い月だった。
 
それはとても嬉しいことだし、もちろん、やりがいも感じている仕事なのだが、
誰かの悩み事に四つに組んで取り組むと、なかなか消耗するものである。
 
そんな忙しい日常の中に、2月最後の仕事として、版画の本摺りを入れるため、
ここはひとつ自分にストレスコーピングを施す必要があると思い、
今、話題の映画を観に行くことにした。
 
ストレスコーピングとは溜まったストレスやささくれだった心を癒すため、
自ら選んで、自分のテンションが上がるような楽しいことをしたり、
美味しいものを食べたりして、ストレス値を下げることを言う。
 
私のコーピングリストの上位に「好きな映画を観て、幸せな気分になる」と
いう項目がある。
 
今日は週末に封切られたばかりの『LA LA LAND』を観ながら、
チョコレートバーをかじり、コーヒーを飲むという3点セットでいこうと思う。
 
『LA LA LAND』はアカデミー賞史上最多14ノミネートされたせいか、
情報番組でも何度か取りあげられ、興味をもっていた。
 
映画のキャッチコピーには「観るものすべてが恋に落ちる、極上の
ミュージカル・エンターテイメント」とある。
 
どことかの高速道路をある時間、一斉封鎖して、撮影されたという
渋滞の車から降りてきた人々が歌い踊るシーンがあまりにも有名だが、
それは早くも冒頭に出てくる。
 
印象的なのは出演者が鮮やかな赤や黄色、グリーンなど、原色の洋服を着て、
街の風景の中に点在し、躍動していることだ。
 
主役のエマ・ストーン演じるミアはもちろん、他の女性陣も全員原色のドレス。
ミアは真っ黄色のドレスに始まり、真っ赤、真みどり、真っ青など、
いずれもデコルテがガバッと開いた綺麗なシルエットのドレスを着ている。
 
色には色彩心理といって色の発信する感情があるので、
それを意図しているのか、単に色鮮やかなものを女優陣に着せて、
ビジュアル的な視覚効果を創りたかったのか分からないが、
とにかく原色が画面いっぱい動き回っているのが目に焼き付いた。
 
ミアは女優になりたい夢のために何度失敗していもオーディションを受け続ける。
夢のためには折れた心を立て直し、何度でも挑戦する女性だ。
 
一方、主演男優のライアン・ゴズリングはジャズピアニストとして
華麗なピアノ演奏と歌唱を聴かせ、
その甘いマスクとともに観るものを酔わせてくれる。
 
こちらもジャズを聴かせる店をやりたいという夢に向かって生きているが、
ミアとは違って、生きるためにはお金のために気に染まない仕事もやるタイプ。
 
そんなふたりが恋に落ち、やがて年月を経て・・・。
 
どんな結末かは劇場で確かめて欲しいのでここまでにしておくが、
ふたりの歌も踊りも演奏も、さわやかだし、センスがよく、
心地よいエンターテイメントとしていい感じだ。
 
もっとミュージカルらしい構成や演出かと思ってたので、
あれっという感じは否めないが、読後感というか映画鑑賞後の印象は軽やかだ。
 
アカデミー賞というには、物語の深掘りがなされていない気がしないでもないが、
さて、あと数日でどんな結果が出るのか楽しみだ。
 
私のストレスコーピングとしての効果はどうかというと、
1日に2件のカウンセリングの後、
ひとりになる時間が持てたし、美しい映像と心地よい音楽、
エマ・ストーンのスレンダーボディを引き立てる原色のドレスと
ライアン・ゴズリングのジャジーなピアノと甘いマスクと長い足で、
眼福効果大だったと言えよう。
 
これで英気を養えたので、
明日あさってと新作の本摺りに取りかかるつもり。
 
さあ、しまっていこう!

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