2017年1月12日木曜日

人生初の往診


 
帯状疱疹になってしまったとブログに書いたせいで、
あちらこちらからいたわりのメールと共に、脅しのメールをいただいた。
 
また、私が帯状疱疹をにかかったと時を同じくして、
朝日新聞朝刊の「患者を生きる」というコラムで『帯状疱疹』が取りあげられ、
連日、帯状疱疹を重篤にしてしまった例や、治療に関する記事が掲載されている。
 
それによると、帯状疱疹で何が怖いといって、長引かせて神経痛が
何ヶ月、何年の単位で続くこと、これが一番怖いということだ。
 
そのあたりを心配して、友人や親族に大変な思いをした、
もしくはしている人が、脅しのメールを心配顔で送ってきてくれている。
 
もちろん私本人が、一昨年冬、首の神経を痛めたせいで、
3ヶ月近く,肩から指先へのしびれや痛みを取るのに要したわけだから、
帯状疱疹後神経痛を恐れているのはいうまでもない。
 
そんな折、整体のY先生から
「お灸療法は帯状疱疹の傷の治りと神経痛をブロックするのに有効ですよ。
試してみませんか」というメールをいただいた。
 
Y先生は整体師の先生でもあるが、鍼灸師の資格も持っていらして、
今回の病状にお灸は大変効果的と判断しての提案だ。
 
あらかじめ取ってあった10日の整体の予約を「お灸療法」に切り替えた。
人生初の本格的なお灸は、想像以上に熱かった。
しかし、施術後、何だか体が軽くなった気がしたのは不思議だ。
 
発疹が出ているこの機にお灸を続けて据えることが肝心と、
次の日の夜、つまり、夕べの夜10時に、我が家まで往診に来てくださることになった。
日中はすでに予約の患者さんでいっぱいだからだ。

そでにしても
 「往診」
 
医療関係の先生に、自宅まで往診に来てもらったことは記憶にある限り、ない。

私の往診のイメージは、
自分では動けないような患者さんのために医療チームが来てくれるという
重篤感溢れるものだったのだが・・・。
 
夜10時、見知らぬ夜道で迷子にならないよう、駅まで車で迎えに行った。
 
先生は私のブログを愛読してくださっているので、
そこに度々登場する和室アトリエにお通しし、
部屋の真ん中にのべた布団の上で施術していただいた。
 
自宅にY先生がいること自体、ちょっと驚きの光景だし、
いつもは借りて着るジャージーの上からの整体なのに、
赤い発疹が広がる背中やバストをさらしてお灸されている図というのも
いままでにない光景である。
 
一挙に自分は重篤な患者であるという「まな板の上の鯉」の気分が浮上し、
気分がどんよりする。
 
しかし、往診はやはり効を奏し、
水疱化してウイルスをまき散らそうとする病魔に、正にお灸を据えて、
それ以上悪さをしないよう封じ込めようとしているのを感じる。
 
見て分かるほどに、お灸をすえた数十箇所の発疹は小さくなっている。
 
お灸はその熱さに歯を食いしばる必要はあるものの、
オッパイや脇腹に電流が流れる痛みに比べれば、なんのその。
 
ここはひとつ、神経痛を残さないために、
発疹まみれの上裸体を晒して、頑張るしかない。
 
往診は明日の夜も行われる。
 
診療後の遅い時間に我が家まで来てくださろうというY先生の優しさに応え、
今は早く元の元気を取り戻したいと願うばかりである。


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