2016年4月3日日曜日

石田組 組長はもちろん石田様

 
 
みなとみらい大ホールで行われた石田組のコンサートに行ってきた。
 
主催は公益財団法人アイメイトという
盲導犬の育成と使用者とのペアをコーディネイトしている団体だ。
 
コンサートの収益金をその運動に当てるためのチャリティコンサートで
今回で15回目になるという。
 
毎年、いろいろな演奏家にお願いしてコンサートを開き、
コンサートの収益金や寄付金を募ってきた。
 
というわけで会場には20頭ちかくの盲導犬とその使用者もいて、
協会関係者も多く、いつものコンサートとは違う雰囲気だった。
 
はっきりいえば、普段コンサートなどには来ていない人が多かったようで、
5分前の鐘が鳴っても空席が目立ち、
定刻過ぎてから着席する人も大勢いて、何だかざわついた感じ。
 
コンサート中も咳をする人がやたら多く、
私の近くで途中退席した人もひとりやふたりじゃない。
 
更に隣のおばちゃんは演奏時間のほとんどを
すごい寝息でゴーゴー寝ているし、
通路挟んで隣のおばちゃんも寝ていたせいで、膝の上のチラシが滑り落ちた。
 
きっとこういうの石田様嫌いだろうなと心配しつつ聴いていたが、
今日の舞台上の石田様は相当機嫌がよさそうで、
気持ちよさげに演奏していた。
 
『石田組』は男性ばかり14人の演奏家集団で、
13人の弦楽器奏者とひとりのピアニストで構成されている。

その名前が示すとおり、 
メンバーすべてが石田様のお声掛かりで集まっているので、
いってみれば全員が石田様の信奉者ということになる。

そのせいか、
いつもは寡黙で「こんにちは」のひと言しか発しないことで有名な石田様が、
こともあろうに全員のメンバー紹介をした。
 
「こんにちは。今日はありがとうございます。では、石田組の組員を紹介します。
ここにいるメンバーは全員、僕のことが好きです。
そして、僕もみんなのことが好きです」と笑いをとりながら。
 
ここのところ、五分刈りにそり込みまでいれて、どんどん危ない風体になって、
その筋の人みたいと心配していたが、
正に石田組の組長として、みんなを仕切っている感じは
はまり役である。

きっと石田様は根っからの親分体質なんだと思う。
 
演奏した曲目は
グリーク:組曲「ホルベアの時代から」
シューベルト:弦楽三重奏曲第2番 変ロ長調D581
ヴィヴァルディ:「四季」
 
半円形にずらり並んだ弦楽器奏者と1台のチェンバロの真ん中で
ひとりオーバーアクションでヴァイオリンを弾く石田様の姿は美しく、
ファンならずとも惚れ惚れする。
 
もちろん私はファンなんだけど・・・。
 
私は初めて石田様の弾くヴィヴァルディ「四季」を聴いて、
ここのところピアソラものに偏っていたので、
改めて彼の音楽性の高さを見た思いがした。
 
大ホールいっぱいに響き渡る弦楽器のふくいくとした音色は
きっと盲導犬の傍らの人達にも温かなものを運んでくれたに違いない。


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