2016年2月16日火曜日

歌舞伎舞踏の至芸『棒しばり』

 
珍しくシネマ歌舞伎が普通のロードショーとして映画館にかかっている。
 
板東三津五郎と中村勘三郎の『棒しばり』
同じく三津五郎と中村時蔵の『喜撰』の2本立てである。
 
『棒しばり』の方は平成16年4月に歌舞伎座で行われたものだし、
『喜撰』は平成25年6月に歌舞伎座にかかったものだが、
板東三津五郎の踊りものというくくりで同時上映されているらしい。
 
わたしはいつもの東銀座の東劇ではなく、
みなとみらいのブルグ13に予約し、出掛けたところ、
やはり60~70代の大おば様達がおおぜい観に来ていた。
 
残念なことに今は亡き坂東三津五郎と中村勘三郎。
このふたりがどれほど踊り手として長けていたか、
嫌というほど知らしめてくれている2本だった。
 
2本とも歌舞伎の舞踊とはいえ、面白みとおかしさを追求した演目なので、
その軽妙洒脱な振りと表情、キレがよくて品格のある動き、
両方併せ持っている素晴らしさに惚れ惚れする。
 
三津五郎と勘三郎は男性としては165㎝あるかないかの小柄な体だが、
そのふたりだからこそ、太郎冠者と次郎冠者になったときの
ペアとしてのバランスがいい。
 
『棒しばり』の方はそこに大男の板東彌十郎が曽根松兵衛として加わり、
凸凹の妙というか、それだけで絵ずらが可笑しくなる。
 
最近、それぞれの息子達が芸を継承して、
巳之助、勘九郎のコンビで頑張って踊っているが、
役者の背格好や顔だちまでは親子とはいえ受け継いでいないので、
三津五郎と勘三郎の名コンビのようなわけにいかないのが残念だ。
 
また、もう1本の『喜撰』は
喜撰法師が祇園の茶汲女お梶に惚れて、口説くけど振られるというお話。
 
三津五郎は自分の襲名公演でも踊ったぐらいだから、
お家芸の演目だ。
 
桜満開の京都を舞台に、お坊さんの三津五郎と茶汲女の時蔵。
 
三津五郎が軽やかでしなやかに踊るのに対して、
時蔵がなんとも色っぽく、粋でなまめかしい。
 
時蔵は女形にしては大柄なので、三津五郎の方が小さく、
ちょっとそこはご愛敬。
 
そういう意味でも三津五郎と勘三郎なら、
どっこいどっこいの背格好で本当にちょうどいい、
そんなことを考えながら、
いずれにせよ、もうこの世にはいないふたりを懐かしんでいた。
 
『喜撰』の舞台は春爛漫の京都。
踊りの最後には17名もの若手が小坊主として出てきて踊る。
その中には、昨今、成長著しい巳之助や壱太郎、米吉、児太郎の名もあった。
 
50代でこの世を去った父や先輩の後を追って、
小坊主達の誰かが法師様に化けるのを、ファンとしては楽しみに待つとしよう。
 
あ~、春が待ち遠しいのぉ~。
 
そうだ 京都 行こう。

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