2015年12月26日土曜日

『能力』ののびしろ

夕べ、「団塊スタイル」という中高年向けの番組を観ていたら
脳は使い方によって、記憶力も集中力も全然違ってくるし、
年齢を重ねてからの人生の活力そのものにも関わってくるという話だった。
 
最近は書店にいくと、老人の『老活』
いわゆる老いて尚、元気に暮らす術や、実践している人の生活術に関する本が
コーナーを設けられて並ぶほど、たくさん出版されている。
 
なかでも
篠田桃紅さん(103歳)のエッセイは凛として潔いせいか、ベストセラーだし、
吉沢京子さん(91歳)の生活の知恵、気持ちの持ちようなども共感を呼んでいる。
 
また、『104歳、街道を行く』の朝日新聞のコラムに活動の様子が詳しい
医師の日野原重明さんは日本を代表する元気な長老の代表だろう。
彼も常々、新しいことを始めること、何でも興味をもつことを提唱している。
 
番組ではその吉沢京子さんの日常にカメラをむけ、
「明治生まれの頑固一徹な夫が亡くなって以降の30数年は、
夫がくれたプレゼントだと思って、毎日、精力的にやりたいことをやって
好きに暮らしているの」と快活に笑う姿をとらえていた。
 
要は脳を活性化し、老いて尚成長させるのは
「新しい情報をいかに脳に入れるか」
ということにつきるらしい。
 
50代の管理職の男性の脳を例に採り、
ルーティーンで仕事がこなせるようになってしまうと脳はどんどん退化する
ということを、脳の断層写真を使って説明。
 
常に新しい何かを始める、
好奇心と行動力こそが、『能活』に一番必要らしい。
 
それを
国は「ライフスタイルチェンジ」とか呼んで、
認知症予防のスローガンにしようとしているみたいだが、
認知症になるかならないかは置いておいても、
やはりある程度の年齢になってきて、人生がマンネリ化してきたら、
これは必要なことだと思う。
 
ちょうど、個人的には10月20日、ダンナがタイのバンコクに赴任したのを機に
「新しいことをするぞ!」と宣言し、ブログにも書いたのだが、
あれは大正解だったということになる。
 
あれから2ヶ月、
まず入会したスポーツクラブには週1ペースで通っており、
行けば2本のクラスを取ると自分に課している。
 
1本は「ボディバランス」というインナーマッスルを鍛えるヨガや太極拳を
ベースにしたクラスか、
「ボディコンバット」というボクシングの動きをベースにしたエクササイズ。
 
もう1本は「シバム」もしくは「ズンバ」という激しい踊り系。
 
計2時間、クラスに出て、他に小1時間マシーンエクササイズを行うと
帰りは歩いて12分ぐらいの距離をタクシーで帰ろうかと思うほど疲れる。
 
しかし、それは今考えると、体が疲れているだけじゃなく、
インストラクターがするのと同じ動きが、すべて初めての動きなのに
ついていかなければと思って必死になった脳の疲れだとわかる。
 
2ヶ月経ち、いくつかのクラスを渡り歩き、好きなクラス内容、好きな先生が
決まってくると、その疲れも少し軽減してきた気がする。
 
体が激しい動きに慣れてきただけでなく、
新しいことに対応するための脳のめまぐるしさが少し収まったからだろう。
 
他にも、10月から始めたタンゴダンスも10回の講座の内、8回を終え、
最初の「まさかこんなに誰かと組んで踊るクラスだったとは」という驚きも落ち着き、
メンバーのおじさま達とも少しなじんできた。

きっと、
タンゴクラスも始めた当初の『能力』ののびは相当なものであったに違いない。
 
今でもステップは難しいし、覚えられないし、
相手の気を感じることはもっとも難しいので、
受講している時はきっと私の脳の活性化はかなりのものだろう。
 
他にも
10月末、鬼の居ぬ間にお風呂のリフォームをしようと思い立ち、
TOTOのショールームにいって、2業者に相見積もりを取り、
工事が始まったと思ったら、思わぬ事件が次々勃発して、
今日の今日までまだ完成していないから、
延々と男性の業者相手に交渉ごとが続いている。
 
これも『脳力』ののびしろに貢献しているかと言えば、言えるだろう。
 
また、12月に入って、新規の心理カウンセリングの予約がいくつか入り、
しかもかなり重たいお悩みを抱えているクライアントさん達とセッションしていると、
認知行動療法だけでは追いつかず、
以前、勉強した「共依存」や「アダルトチルドレン」「対人関係療法」などの本を
読み返して、勉強しなければならないことが増えた。
 
資格を取るために必要だった多くの文献は、
今、現場のクライアントさんの重たい悩みを前にして、
よりリアリティをもって語りかけてくる。
 
どの方も新たな年を迎えても、まだまだ簡単には解決しない
「生き方」そのものの問題に直面していて、
私をカウンセラーとして頼ってくれているので、
もっともっと勉強が必要だと感じている。
 
ということで、
ひとり暮らしの安気さは、呑気なルーティーン生活に陥りそうなものだが、
お陰様でダンナがいてはちょっと気が引ける上に、
ご飯を用意して出なければならない夜のお出かけも気兼ねなくできるので、
タンゴクラスもカウンセリングも、コンサートも歌舞伎も
お構いなく夜の時間帯に突っ込んでいる。

というわけで、
1日の活動時間帯の拡張と共に
『脳力』も伸びているのを感じる今日このごろである。

プチプチ、ブ~ン(成長する音)
 


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