2015年8月16日日曜日

オブジェのついたて

 
 
 
 
 
先週から、かなりの時間を費やし、
その間、何度か車を出して、
シマホ(島忠の方がなじみがあるが・・・)に工具や材料を買いに行き、
なんとかオブジェのついたてが完成した。
 
話は以前にも書いたとおり、
2月の現代美術展にオブジェの作品を出品することになったのはいいが、
六本木の新美術館の規定により、壁に釘やピンがつかえないことが判明し、
それに対応すべく、ついたてを作る必要性が生じたことに始まる。
 
とはいえ、あまり材料費をかけたくないという事情もあり、
リサイクルショップやニトリあたりで、安価なついたての支持体を購入し、
それに自作の和紙の千代紙を貼り回すことにした。
 
結局、ニトリで夏のついたてを4000円ほどで購入。
まずは順調な滑り出しだと思ったが、
何といってもこの猛暑の中、木版の摺りを行うのはやはり無謀なことだった。
 
それでも、ここまで始めてしまったら、もう後へは引けないと思い、
何とか雨の日を狙って、両面に貼り回すだけの大量の千代紙を摺りおおせた。
 
次にヒモで編んだだけのついたてに、いきなり和紙は貼れないので、
まず厚口画用紙を貼り、
更にその上に工作用紙というボール紙を貼って、
和紙を貼るための土台作り。
 
そこに脇に折り込む分を計算しながら
薄めた木工用ボンドを刷毛で台紙全面に塗り、
丁寧に木目の和紙を貼っていく。
 
新美術館の展示の時は
2点の作品中央についたてがあり、床にも木目のパネルが敷かれ、
背中合わせに椅子と半円テーブルを置くことになる。
 
本来、椅子やテーブルの後ろは壁のつもりなので、ついたてを使っていても、
壁のように平らでなければならない。
 
もちろんビジネス用品のパーティションなどを使えば
がっちり大きな壁代わりができると思うが、
単なるついたてに対し、リサイクル品だというのに2万円も使うつもりはないし、
第一そんな大きなついたてがいつもアトリエに置いてあるのも邪魔である。
 
そこで、折りたためるついたてを使うという我ながらグッドなアイデアの元、
ヒモ編みのついたてを使うことにしたのだが・・・。
 
3枚組のついたては本来屏風のようにくの字に折って使うもの。
それを真っ平らに伸ばしてしまっては立っていられない。
それを立たせておくためには端に何らかのつっかい棒が必要になる。
 
「まあ、何とかなるでしょ」と高をくくっていたが、
案外、これが難しい。
 
2度3度とシマホのDIYのコーナーに出向いて、
棚用の三角コーナー金具を手に取り、
最小の金具で最大の効果をと考えた。
 
180㎝の高さ×40センチの幅×3枚×厚み3センチに対し、
どれほどの大きさの金具が必要なのか、
物理だか数学だかの知識がなさ過ぎて、勘だけが頼りなので
はなはだ心許ない。
 
どこかにこういうことに強いボーイフレンドはいないものかと念じながら、
クーラーの効いたアトリエに籠もり、
ひとり黙々と作業を進めた。
 
今日は何とかニスを塗って一応の完成をみたが、
さて、本当に会場で真っ平らなまま立っていてくれるだろうか。
 
「金具の底に強力な両面テープか何かで補強したらまずいかな」とも思うが、
「壁に釘を使った人が美術館から壁の塗り替え費用として20数万円請求された」
という噂も聞いているから、やめといた方が安全だ。
 
たかがついたて、されどついたて。
 
現代美術展に出品している自分のオブジェ作品という図に惹かれ、
ここまでやってきたが、
予想以上の手強さだった。
 
まあまあお疲れ様。
お好きな桃でもブドウでも、何でも食べて、一呼吸ひと休み。
残暑厳しき折り、ご自愛なさってお過ごしください。
てな、感じだ。

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