2014年9月1日月曜日

忍の一字 金継ぎ講座

 
手前がただ今作業中のミントンのポット    
 
 
 
6月下旬、グループ展のメンバーで日本画家の友人から
「もし、よかったら金継ぎの講座があるから、いらっしゃらない」と誘いを受けた。
 
金継ぎとは、欠けたり割れたりした陶器を貼り合わせ、
漆で繋いだりふさいだりした後、金で化粧し復元する修復のことだ。
 
よく、高価なものや、作家ものの茶碗などに金継ぎが施され、
陶器に金線が入ることで別の景色が生まれ、風情が増す
なんていうあれである。
 
お誘いを受けた時、とっさに我が家のディナーピースのひとつ、
ミントンのポットにいつのまにかヒビが入っていたことを思い出した。
 
金の装飾だけで出来ているシリーズで、8人分、フルセット揃っている。
その内の唯一単品もののポットにいつの間にかヒビが入り、
じわじわと水漏れするようになってしまった。

陶器ではなく、磁器ではあるが 
これが直せるものならばと参加した講座であったが・・・。
 
さてさて、その作業工程のめんどくさいこと、時間がかかること、
漆の扱いが非常に危険かつ、繊細なこと、
すべてに想像を遙かに超えた。
 
今回で3回目、
1回の講座が3時間半ぐらいかかっているのだが、
未だにポットの修復は道半ば。
 
ひとつ、はっきり言えることは
講座でいくら学んでも、家で自分が用具や材料を揃えてまでは
絶対にしないだろうということだ。
 
いやはや恐るべし漆の世界。
 
参加者5名の内、4名は日本画の作家で版画家は私ひとり。
いずれにせよ、絵描きなのに、全員その集中力と根気が必要なことと
めんどくさいことに根を上げ始めている。
 
欠けたものが魯山人の器とかいうならまだしも、
日常雑器の欠けたものにここまで手はかけられないというのが本音。

もし、自分が作った陶芸作品が壊れたり欠けたりしても、
金継ぎなどせずに、新しい作品を創り直すだろう。
その方が断然速いから。
そう断言出来るぐらい、めんどくさいのだ。

美術工芸の中で、もっとも知らない漆工芸というジャンルを垣間見て
多いに勉強になったと共に、
「遠慮しておきます」ということだけは分かったというお粗末。

少なくとももう2回は謙虚に勉強させていただきます。

それにしてもお腹すいたわ~。
午後7時スタート、11時終了。
晩ご飯は差し入れのおにぎり1個と銀だこ3粒のみ。

銀座から終電で帰って、
12時半に家で菓子パン1個とおせんべい1枚とダンナ用すき焼きの残りをつい・・・。

これじゃ、体にいいこと何も無し。

「金継ぎ講座、参りました。
あと2回は伺いますから、それで勘弁してください」
そんな感じ。
 
 


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