2014年8月17日日曜日

次なる器


 
お盆休み最後の週末、いつもどおりに陶芸教室に出掛けた。
お盆なので、工房にはだれもいないかもしれないと思ったが、
逆にいつもより多いぐらいの人数がいて、それぞれロクロや作業台に向かっている。
 
教室に入ると前回焼成が間に合わなかった揃いの湯呑み6客が焼き上がっていた。
これで、この湯呑みも18個になったので、一応キリをつけることにした。
(最初の8個が思ったより小さく焼きあがり、満足できていないのだが・・・)
 
ちゃんと焼けているのに捨てる勇気は素人の私にはまだないので
少し時間をおいて、それをカウントするのかしないのか考えることにした。
 
というわけで、湯呑みはちょっと忘れて
新たな器をつくることに。
 
ここのところ、ずっと白い土(特コシと古信楽)ばかりが続いたので
今回は赤い土(工房では赤2と呼ばれているもの)を2つ買ってみた。
2つ合わせて1600㌘である。
 
この2つを一緒にして菊練りという方法で、
土を柔らかくし、空気を抜き、均一にしていく。
書道の墨をするのと同じく、この時間に心を静め、作品のイメージを掴む。
 
大きな土の塊ひとつから、大きな鉢ひとつを創りたいという欲求が湧いてきた。
おもてなし料理を作ったばかりだからか
オーバル型の深鉢というか、すり鉢を器にしたようなものが見えてきた。
 
きっと『ブリ大根』や『筑前煮』などが似合うだろう。
 
最初に大きな塊を作る器の高台の大きさになるよう、
巨大今川焼きみたいな恰好に叩いて延ばす。
それを手びねりロクロにのせ、高台の分の高さを下3分の1確保し
上3分の2の土を徐々に徐々に拡げて鉢状にしていく。
 
高台より土が外に張り出すお皿や鉢は、
土がだれてきて、広がりすぎたり、垂れ下がったりするので
指先の感覚をたよりに土と会話しながら無理がないように土を延ばしていく。
 
そうしたひとりきりの静かな時間に
最終の鉢の大きさや高さ、厚み、内側外側の模様などの構想がまとまり
土の赤を活かしてどんな釉薬をどのようにかけるかもイメージできてくる。
 
料理と器のコラボレーションの楽しさにめざめたのは今に始まったことではないが
器を自分で作るという喜びはこの陶芸教室に通い出してからだから
ここ2年半ぐらいと、まだ日が浅い。
 
しかも、思い通りに焼き上がるとも限らないし
思うように成形できないこともあるわけだから
まだまだ道は険しい。
 
それでも、「自作の器に自作の料理っていうのは格別」という楽しさを知り
当分、想像の翼を拡げて遊べそうで嬉しい。
 
ただ残念なことは
ダンナは土ものの器がきらいなこと(ボテボテしているからとか)と、
通常、食べ手がこの文句の多いダンナと私しかいないこと。
 
「早く食べる口が増えないかな~」と
お盆に帰省中のむすめ達を見やるも
一向に兆しがないのはどうしたものか。
 
今回の大鉢も8人前ぐらいは入るのになぁ~。
 

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