2014年8月8日金曜日

やっぱり似ているかも


 
今日は渋谷駅から少し歩いたところにある松濤美術館に行って来た。
明日から開かれる『いま、台湾』と題された展覧会のオープニングパーティが
一足早く催されたからである。
 
台湾で活躍する油彩画・水墨画・版画・デザイン画などなど
多岐にわたるジャンルの代表的な作家が一堂に介した展覧会で
出品作家の内の10数名もこれを機に日本に来日して、レセプションに出席していた。
 
更に
その内の数名が9月はじめの沖縄・佐喜間美術館での展覧会で
ご一緒することになっているため、
出品作家としては、お顔つなぎの意味もあって、出席することにしたのだった。
 
会場は台湾からと、日本に住んでいる台湾人と、台湾に関係の深い日本人で
あふれかえっていた。
そのほとんどは60~70代のおじさま作家と関係者の中年女性達だったが
中にひときわ注目を浴びている女性がいた。
 
日本でもおなじみのジュディ・オングさんだ。
 
ジュディ・オングが木版画を手がけていて、数年前、日展で大きな賞を取ったことを
知っている方も多いと思うが、
そうした経緯もあって、今回の展覧会に特別出品という形で大きな作品を3点
出品している。
 
彼女は台湾では日本で大成功した、影響力の大きな人物と聞いている。
 
3時にレセプションが始まり、約5分ほど遅れて到着した彼女は
立って開会式の挨拶を聴いていた私の左脇を通って、
中央の作家席の方に進んでいった。
「ちょっと失礼します」と私の脇を通る時の声に聞き覚えがあったので
ふと見ると、私とほぼ同じぐらいの背丈のジュディ・オングその人だったのだ。
 
実は30年以上も前から、
私はことあるごとにジュディ・オングに似ていると言われてきた。
テレビでみる限り自分でもそうかなと思っていたが、
生ジュディを見るのは今日が初めてである。
 
目の前にいるジュディ・オングはテレビで見る印象と少しも変わらなかった。
小柄だということは聞いて知っていたし、華やかな顔立ちや、かもしだす空気も
想像していた通りだ。
 
そして、間近に見ても、やっぱり自分と似ているかもしれないと思った。
 
会場にいたインタビュアーやカメラマン達が何人も彼女の後を追いかけていく。
レセプションの式典が終わった後、
彼女は2階展示室の自作の前でインタビューに応え
そそくさと会場を後にしていった。
 
ジュディ・オング本人はあっという間にいなくいなってしまったが
それから2時間ほどの間に
私は何人もの人から「ジュディ・オングに似ている」と言われ
日本の男性は日本贔屓なのか、さして親しくもない男性が
「彼女ちょっと顔がお疲れになってきているから、今はあなたの方がきれい」などと
お世辞をいって褒めてくれた。
 
たしかに彼女の方が少し年上の分、
大きな目の下のほおのたるみが最近目立つなと思っていたが、
絵描き仲間はめざとくそうした違いを観察していて、報告してくれるのだ。
 
私もあと数年したら目の下のほおのたるみに泣く日が来るのかも・・・。
 
「世界には自分にそっくり似た人が3人はいる」
そんな言葉を聞いたことがあるが、
背丈もほとんど同じで、顔立ちが似ていて、木版画を30年以上やっているなんて
もしかしたらジュディ・オングはその3人の内のひとりなのかもしれない。
 
台湾の人にさえ似ているといわれ、
何だか台湾が急に身近なところに感じられたし、
前世のどこかで自分が台湾人だったのではと思えた不思議な日だった。
 
いつか、生ジュディにも私と似ていると思うか、訊いてみたいものだ。
 


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