2014年2月9日日曜日

『大雪』と書いて『チャンス』と読む

 
 
 
 
 
 
週末、関東地方は20年に1度の大雪に見舞われた。
土曜日の夜中に降り始めた雪は、朝、起きたときには5㎝ぐらいに積もり
終日、強い風と共に降り続いて、夜半には20㎝以上の積雪を記録した。
日曜日の朝、ようやく外に出て雪かきが出来るようになったが
結局、土日の交通機関はほとんど運休になり、機能マヒに陥った。
 
私も土曜日の予定を変更し、
日曜日のデジカメ講座は一旦、時間を午後にするという連絡があったが
結局は電車がまだ動いていないということで、当日になって休講になった。
 
きっとこうなるという予感がしたので、
私は週末は版画の本摺りをしようと決め、
急遽、紙の湿しと絵の具の調合を行い
金曜日の夜中から本摺りを開始することにした。
 
折しもソチでのオリンピックの開会式が始まり、
絵の具を作りつつ、ライブで開会式のもようを見て、
自分の気持ちも摺りに向けてあげていった。
 
なにしろ木版画の摺りで大敵は乾燥である。
加湿器をたきながら、湿した和紙が縮まないよう、
湿気たアトリエで摺っていくわけだが、
ピーカンの日と雨や雪の日だったら、当然、雨や雪の日の方が摺りやすい。
 
『大雪』と書いて『チャンス』と読むぐらい、
私にとって大雪は願ってもない摺り日和なのだ。
 
まだ、試摺りをとって間もないので、微調整が済んでいないし、
試摺りの疲れで体調も万全とはいかないが、
それより何より湿度が高いことが優先する。
そう考えて、週末は『わたしゃ、鶴になる』と決めた。
 
摺る作品はぶっぽうそうがモデルの大きな作品だが
私自身は鶴の恩返しの鶴のごとく、
アトリエに籠もって誰にも見られないように戸を立てきり
鬼気迫る妖気を発散しながら、黙々と本摺りをした。
 
まさに鶴の恩返しのお話のごとく、織り上がったのは美しい錦だったように
自分なりに渾身の蒼いぶっぽうそうが出来上がった。
しかし、
腰はバキバキ、目はショボショボ、腕は上がらず、肩には乳酸がもっこり。
今ここで、整体の先生の出前を頼みたいぐらいだ。
 
この2日間、新聞を新聞受けに取りにいく以外、1歩も外には出ず
何とか4枚の本摺りを摺り終えた。
 
その代わり、
我が身の羽根こそ抜かなかったけれど(生えてないっつうの)
おつうはほとほと疲れたのであった。
 


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