2014年2月1日土曜日

降って湧いた個展の話

さっき、人生にはこういうことも起きるんだと思えるようなことが起きた。

夜9時過ぎ、家電が鳴って、「珍しいな、こんな時間に」と思ってとってみると
男の人の声。
瞬間的に私宛じゃないなと思ったが、相手はなんと高名な美術評論家の先生。

6年前、版17という所属する版画家グループがチェコでグループ展を開いた時
から、ご縁のある評論家の先生だ。

ご縁があるといっても版17の重鎮の作家とその評論家が繋がっているだけで
私などの下々は一方的にお顔を存じ上げているという関係だ。

そんな評論家が何の用で?といぶかしみながら話を聞けば、
「大変急な話ですが、3月22日から銀座の画廊で、私の企画という形で
きみのさんの個展をしませんか?」という申し出だった。

「えっ、本当ですか?」と平静を装いつつも、心は相当動揺していたので
声に驚きと喜びと戸惑いが混じっていたことだろう。

聞けば、予定されていた作家が急な病気で展覧会が出来なくなって、画廊の
オーナーに穴埋めに誰か紹介してと泣きつかれた評論家先生が、
大作のいい作品をたくさん持っている人ということで、
私に白羽の矢を立てたということだった。

まあ、そんなことでもなければ、私に高名な評論家による企画展の話がまわって
くることなどないだろうが、心筋梗塞で倒れた天海祐希の代役を務めた宮沢りえ
のこともあるし、海老蔵殴打事件の時の愛之助のこともある。

ピンチヒッターがそこですごく評価を高めるとか、その後、めきめきと頭角を
表すということもないわけじゃない。

来年の個展のために苦節4年も作品を溜めている私にとって、古い作品でも
全然かまわないし、案内状には評論家の挨拶文というか推薦文を載せるのが
個展の条件だなんて言われて、有頂天にならないわけがない。

あまりに迫った日時だけが気がかりだけれど、決まれば決まったで、
猛烈に頑張ろうという気持ちが湧いてきているのも事実。

来年用の個展に新作はとっておくとして、この機会に、今までの作品を棚卸しし
もう一度スポットライトを当ててあげられるのはとても幸せなことだ。

人生にはきっと、
何回かはこんな風に思いがけないチャンスが巡ってくるものなのだろう。
チャンスの前髪(チャンスの神様は後ろには髪がないそうだから)はしっかり
つかんで、『プレ還暦個展』にむけて、いざ発進!!

本厄、どこ吹く風、年女、面舵いっぱ~い!!

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